icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻1号

1985年01月発行

臨床経験

左鎖骨骨内ガングリオンの1例

著者: 藤井正敏1 杉村功1 堀司郎1 氏川和育1 黒木秀尚1

所属機関: 1社会保険広島市民病院整形外科

ページ範囲:P.75 - P.78

文献概要

 抄録:左鎖骨に発生した骨内ガングリオンの1例を経験した.我々の渉猟しえた範囲では,鎖骨に発生した骨内ガングリオンの報告は欧米で6例,本邦例は認められず稀な症例と思われるので報告する.症例は51歳女性で,主訴は左肩鎖関節部の疼痛と腫瘤であった.レ線で左鎖骨遠位端に嚢腫様陰影とそれに接する軟部腫瘤陰影を認めた.手術を行い骨軟部病変を一塊として摘出し病理組織学的検討を行い,骨内・外嚢腫をガングリオンと診断した.我々の症例は骨内外に存在するガングリオンで,お互いは骨欠損部より侵入した結合織によって結合されていた.この症例の発生原因について次の2つを考えた.第1は,骨内ガングリオンが骨外に脱出した可能性.第2に,何らかの原因で骨内に結合織が侵入し骨内外の結合織がムコイド変性をおこし,それぞれ別個に骨内外にガングリオンを形成した可能性である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら