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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻1号

1985年01月発行

文献概要

臨床経験

左膝蓋骨恒久性脱臼,右膝蓋骨習慣性脱臼,両肩関節随意性脱臼及び側彎を呈したXX-maleの1例

著者: 福士智昭1 小松満1 野呂秀司1 村岡真理1 奈良康史1 片野博2 高橋義徳2 川島信二3

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科学教室 2西北中央病院整形外科 3黒石病院整形外科

ページ範囲:P.79 - P.83

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 抄録:両膝関節部痛,労作時両肩脱臼感,腰部痛を主訴とした男性の症例に左膝蓋骨恒久性脱臼,右膝蓋骨習慣性脱臼,両肩関節随意性脱臼,側彎が認められた.両側の膝蓋骨脱臼に対し,Hauser法と上崎法を組み合わせた膝蓋腱,半膜様筋腱の移行術を実施.術後約3年の現在,両側とも膝蓋骨脱臼の再発はなく,疼痛も訴えていない.労作時脱臼感と疼痛もあった両側肩関節については,glenoid osteotomyを施行.術後は重量物の挙上が可能となり疼痛も消失した.側彎については年齢的に増悪傾向がないため経過観察中である.他覚的所見として低身長,女性化乳房,全身の関節弛緩,小さい睾丸を呈し,エストロゲン,17-KSが高値を示していたため染色体構成を検索したところ,46XXであった.XX-maleは,その多くが性機能障害を主訴として受診しており,本例のように全身的な関節弛緩についての記載はない.染色体異常の潜在していた症例につき若干の考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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