icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻10号

1985年10月発行

文献概要

論述

人工股関節再手術の手術方法と臨床成績

著者: 奥村秀雄1 山室隆夫1 上尾豊二1 笠井隆一1 田中清介2

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室 2

ページ範囲:P.1126 - P.1134

文献購入ページに移動
 抄録:人工股関節置換術の術後経過中,種々の合併症のために,再手術を必要とした40関節を対象に再手術方法と臨床成績を検討した.ソケットのゆるみを生じた臼蓋部には,骨菲薄化と骨欠損を認め,臼蓋荷重部および臼底に積極的に十分な骨移植を行って,解剖学的構築を再建することが重要と考えられた.Femoral componentのゆるみを認める症例では,大腿骨近位部の骨皮質の菲薄化を認め,long stemにて再置換した.大転子のdetachmentの症例では,wiringの工夫と大転子meshの使用が必要であった.感染をきたした症例では,抜去術にて感染は沈静化したが,脚長差と筋力低下等の解決すべきADL上の問題を残した.再置換術を施行した症例の臨床成績は,日整会股関節評価点数で,平均82点と良好であった.X線学的検査にて,移植骨は生着し,collapseは認めなかった.骨移植を施行しなかった1症例にmigrationを認めた以外は,ゆるみを認めず良好であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら