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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻10号

1985年10月発行

文献概要

論述

膝関節障害における大腿四頭筋萎縮について

著者: 中村利孝1 渡会公治1 宮下裕芳1 河原元1 黒沢尚1

所属機関: 1東京大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1144 - P.1151

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 抄録:膝疾患により生ずる大腿四頭筋萎縮が疾患や症状により異なるか否か,筋線維のtype別構成比に変化を生ずるか否かを検討した,対象は年齢構成の比較的そろった前十字靱帯損傷,前十字靱帯と半月の合併損傷,半月損傷,側副靱帯損傷の計112例である.手術時採取した外側広筋の生検標本を組織化学的に観察し線維タイプ別に検討した.筋線維サイズの測定は短径法を用い,萎縮の程度は平均径および萎縮線維の占める割合で比較した.外側広筋のtype 1線維の占める割合は38.6±12.0%であり,健常成人に比し低値であった.Type 1線維の萎縮は前十字靱帯損傷および前十字靱帯と半月の合併損傷にのみ認められた.Type 2線維の萎縮はどの疾患にも共通して認められた.Type 2線維の萎縮は筋活動度の低下による非特異的変化であるが,type 1線維の萎縮は前十字靱帯不全と関係深い変化と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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