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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻10号

1985年10月発行

文献概要

臨床経験

痛風結節による手根管症候群の1例

著者: 吉岡誠1 平沢泰介1 勝見泰和1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科

ページ範囲:P.1207 - P.1210

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 抄録:我々は身体各所に大小多くの痛風結節を有し,右手関節部に生じた結節により手根管症候群をきたした症例を経験した.症例:52歳男性.現病歴:昭和32年頃右足関節の急性関節炎発作にて痛風が発症し,以後身体各所に痛風結節を生じてきた.昭和57年右母指示指中指にしびれ感が出現し,昭和58年当科を受診し痛風結節による正中神経の圧迫が疑われ入院した.入院時所見:右手関節部屈側に3×2cmの腫瘤を触れ,X線像にても明瞭に認められた.正中神経の知覚神経伝導速度(sensory nerve conduction velocity,SCV)は健側と比べて低下し,血中尿酸値は10.8mg/dlと高度の高尿酸血症を示した.手術所見:正中神経は結節と屈筋支帯により絞扼されており,同部は紙様に薄くなり充血していた.痛風結節は比較的容易に摘出できたが,一部示指の深指屈筋腱実質内にも沈着していた.術直後より知覚域の改善を認めた.
 以上の症例に対して,尿酸塩の沈着の機序を中心に若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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