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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻11号

1985年11月発行

文献概要

論述

単純性股関節炎の臨床病態像

著者: 湯川佳宣1 真野淳1 松谷嘉夫1 石山嘉宣1 鈴木博之1 門田剛1 古屋光太郎2 河内貞臣2 高木博史2 水田隆之2 長束裕3

所属機関: 1河北総合病院整形外科 2東京医科歯科大学医学部整形外科 3川口工業総合病院整形外科

ページ範囲:P.1238 - P.1246

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 抄録:本症は主として小児期に急性の股関節痛と運動制限を以って発症し,一般に一過性で予後のよい経過をたどるが,発生機序は未だ不明でObservation Hipとして現在に至っている.1966年より1983年までの17年間に取扱った本症160例,179関節に就いて臨床病態像を分析検討した.うち両側2例,再発18例,再々発1例で再発毎に1関節とし統計上の処理を行った.1975年の25関節をピークに発症率は年次下降している.発症季節は5月から9月にかけて多く,罹患年齢は殆んどが3〜10歳で5〜6歳にピークがある.男127関節,女52関節でその比率は3:2で,罹患側は右に多い.先行疾患・要因のあるものは44関節24.5%で75.5%は誘因なく発病している.発熱は38℃以上が11.7%で大部分は微熱乃至平熱であった,大部分の症例で正常レ線像を呈し,少数例に骨頭萎縮,関節裂隙拡大などの所見を認めた.血沈,白血球数も殆んどの症例で正常であり,予後追跡調査でペルテス病,股関節結核への移行例はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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