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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻11号

1985年11月発行

文献概要

シンポジウム 骨肉腫の化学療法

骨肉腫の化学療法—主としてcisplatinを中心とした術前化学療法の意義

著者: 竹山信成1 檜垣昇三1 立石昭夫2 仲田実生2

所属機関: 1東京大学医学部整形外科学教室 2帝京大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1277 - P.1284

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 抄録:骨肉腫の術前化学療法にcisplatinを併用したので,臨床的病理学的に検討を加えて報告した.さらに,症例を選んで患肢温存を試みたので患肢温存症例の成績と術前化学療法の意義について述べた.Cisplatinの投与量は原則として体重当たり3mg/kg/日を1クールとし,2〜3週間隔で3クールの動注または静注を行ない,Methotrexate大量療法や局所灌流法を併用した.症例は16例で,平均15.7歳であった.原発巣に対して臨床症状,単純X線像,血管造影像,血清AI-P値,切除材料の組織像から,約80%の有効率であった.患肢温存手術は7例に行い,うち2例は術後感染と循環障害のために切断した.予後は,初診時に肺転移の2例とcisplatin 1クールのみの1例を除く13例の2年累積生存率は76.7%であった,術前化学療法にcisplatinを併用することによって原発巣に対して有効であり,さらに良好な予後も期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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