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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻11号

1985年11月発行

文献概要

シンポジウム 骨肉腫の化学療法

放射線療法を併用した骨肉腫化学療法

著者: 高田典彦1

所属機関: 1千葉県がんセンター整形外科

ページ範囲:P.1285 - P.1291

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 抄録:骨肉腫治療にあたって集学的治療の必要性とその効果が強調される.この際,生命的予後の改善のみならず,充実した社会復帰も重要な目的である.化学療法と速中性子線などの放射線療法との合併の方法はADR,HD-MTX,CDDPなどの薬剤を初回治療として全身的に投与し,患肢温存の可能性のある症例に限って術前照射の対象としている.術後3〜4週後より全身的化学療法を施行,以降12〜18ヵ月間継続している.肺転移に対しては積極的に開胸術を行っている.昭和50年以降,58例の骨肉腫症例が全身的化学療法のもとで放射線療法を受けており,うち7例はadvanced stageの為,対症的照射例である.腫瘍細胞への放射線効果では速中性子線の骨肉腫細胞への治療効果比は従来の線腫の約5倍相当であった.組織型別では骨形成型が最も感受性が高かった.照射線量については速中性子線の場合,TDF80照射で十分有効であった.四肢骨肉腫患肢温存症例は31例であり,局所再発例はなく,平均48ヵ月の経過で26例(84%)が生存している.51例のall-overの5年生存率は64.8%であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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