icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻12号

1985年12月発行

文献概要

論述

原発性脊椎腫瘍—手術症例35例の検討

著者: 藤原桂樹1 米延策雄1 浜田秀樹1 冨士武史1 山下和夫1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1363 - P.1372

文献購入ページに移動
 抄録:原発性脊椎腫瘍の発生頻度は低いが診断,治療に難渋することが多い.当科にて1962年から1984年の23年間に手術療法を行った35例について検討し以下の結果を得た.
 1)良性腫瘍25例では骨巨細胞腫が,悪性腫瘍10例では骨髄腫が多かった.2)腫瘍は前方要素(椎体)発生が多く後方要素発生例は少ない.悪性腫瘍は全例椎体発生である.3)神経症状を呈した症例は16例(46%)である.良性腫瘍と悪性腫瘍では麻痺発生機序に相違がある.良性腫瘍の椎体発生例では脊髄への骨性圧迫が加わることが麻痺発症に重大な役割を果たす.悪性腫瘍では骨性圧迫がなくとも麻痺は生じうる.4)治療は一部の良性腫瘍を除いて手術療法を選択すべきである.術後,麻痺の回復がみられない場合,脊柱管内の腫瘍,骨片の残存が最も大きな原因である.良好な麻痺の回復を得るには早期に脊髄圧迫因子を徹底的に除去すること,必要なら脊柱再建術を行うことが必須である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら