文献詳細
文献概要
論述
原発性脊椎腫瘍—手術症例35例の検討
著者: 藤原桂樹1 米延策雄1 浜田秀樹1 冨士武史1 山下和夫1 小野啓郎1
所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1363 - P.1372
文献購入ページに移動1)良性腫瘍25例では骨巨細胞腫が,悪性腫瘍10例では骨髄腫が多かった.2)腫瘍は前方要素(椎体)発生が多く後方要素発生例は少ない.悪性腫瘍は全例椎体発生である.3)神経症状を呈した症例は16例(46%)である.良性腫瘍と悪性腫瘍では麻痺発生機序に相違がある.良性腫瘍の椎体発生例では脊髄への骨性圧迫が加わることが麻痺発症に重大な役割を果たす.悪性腫瘍では骨性圧迫がなくとも麻痺は生じうる.4)治療は一部の良性腫瘍を除いて手術療法を選択すべきである.術後,麻痺の回復がみられない場合,脊柱管内の腫瘍,骨片の残存が最も大きな原因である.良好な麻痺の回復を得るには早期に脊髄圧迫因子を徹底的に除去すること,必要なら脊柱再建術を行うことが必須である.
掲載誌情報