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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻12号

1985年12月発行

文献概要

論述

仙骨切断による腫瘍広範切除術の経験

著者: 山口秀夫1 井須和男1 姥山勇二1 山脇慎也1 後藤守1 片山勝之2

所属機関: 1国立札幌病院整形外科 2国立札幌病院麻酔科

ページ範囲:P.1373 - P.1379

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 抄録:軟骨肉腫,脊索腫,巨細胞腫では手術的治療が主体である.一方,仙骨部腫瘍の手術は腸骨動脈の結紮,凍結手術の併用でも多大な出血が不可避で不完全切除に終わることが多かった.仙骨脊索腫,巨細胞腫の取り残しによる局所再発の予後は悲劇的である.当科で仙骨切断をして腫瘍の広範切除を行った5例について検討して報告する.
 症例は仙骨脊索腫3例,巨細胞腫1例,横紋筋肉腫1例である.術中出血には腸骨動脈を結紮することなく低血圧麻酔で対処した,手術は後方より展開,直腸と仙骨間を剥離,仙骨神経を確認の上切断した.術後の機能障害は必発であり,1例に高度の膀胱直腸障害を招来した.このように術後の機能障害がある程度予想されても,手術療法が主体となる仙骨部腫瘍に対して,積極的に仙骨切断をして腫瘍の広範切除を行うべきと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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