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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻12号

1985年12月発行

文献概要

論述

妊娠に関連する手根管症候群について

著者: 高山真一郎1 内西兼一郎1 飯島謹之助1 根本孝一1 松本昇1 田崎憲一1 堀内行雄1 伊藤恵康1 高橋正憲2 森雅文2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室 2東京歯科大学市川病院整形外科

ページ範囲:P.1381 - P.1386

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 抄録:妊娠に関連した手根管症候群78名120手の経験を報告し,その診断,原因および治療について検討した.本症の診断に際してはTinel's signおよびPhalen's testが有用であり,general acroparesthesiaとの鑑別が問題になる.本症は両側例が多く,一般の手根管症候群と比較して軽症なものが多かった.大部分の症例は,妊娠7カ月以降出産後3カ月以内の発症であり,このうち産褥期の発症例のほうが僅かに多かった,de Quervain病に代表される腱鞘炎の合併を高率に認めたが,妊娠中毒症および全身的浮腫との関連は明らかでなかった.多くの症例は授乳期を過ぎる頃には症状が軽快し,観血的治療を行ったものは4%に過ぎなかった,本症の原因は様々なメカニズムによる手根管内圧上昇という外因的要素に加えて,末梢神経自身の易損性亢進が関与するものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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