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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻12号

1985年12月発行

文献概要

臨床経験

脊髄円錐部に発生し,馬尾部に嚢胞形成した上衣腫の1例

著者: 平木秀樹1 原田憲正1 東文造1 山本利美雄1

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科

ページ範囲:P.1427 - P.1430

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 抄録:症例は34歳の主婦で,腰痛と両下肢しびれをもって発症した.脊髄造影にて第2腰椎部に欠損を認め,脊椎管内腫瘍との診断で手術を施行した.肉眼的には,脊髄円錐部に発生し,馬尾部に嚢胞形成した腫瘍を認めた.組織学的には,典型的なependymomaで,Kernohanのmyxopapillary typeに属するものと考えられた.術後,軽度の知覚障害,排尿障害を残すも徐々に軽快している.
 Ependymomaは,一般に側脳室,第4脳室に発生するgliomaに属する比較的良性の腫瘍である.統計的には,脊髄腫瘍の2〜3%と稀である.Cushing,Baileyによって中枢神経の発生段階で分類されている.胸腰椎移行部と頸椎部に多く,myxopapillary type,cellular typeが多い.完全摘出例は,予後良好であり,部分摘出例でも放射線照射の効果が認められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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