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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻12号

1985年12月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨頸部骨折手術後の大腿深動脈仮性動脈瘤の1例

著者: 石丸晶1 後藤哲二1 岩原敏人1 柴田稔1 松倉裕美2

所属機関: 1旭川赤十字病院整形外科 2旭川赤十字病院胸部外科

ページ範囲:P.1443 - P.1446

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 抄録:右大腿骨頸部外側骨折に対する観血的骨接合術後に生じた大腿深動脈仮性動脈瘤の1例を報告した.症例は73歳男性で,骨折手術後30日目に右大腿の拍動性腫瘤と収縮期雑音を認めた.核医学的検査(blood pool imaging)および動脈造影により,大腿深動脈損傷によって生じた仮性動脈瘤と診断し,同血管の結紮術を施行した.臨床経過および術中所見から,原因として骨折手術中のdrillingによる動脈損傷である可能性が高いと思われる.診断上注意すべきは,動脈損傷後,仮性動脈瘤としての特徴的理学所見が明らかになるまでに長時日を要するため,血管損傷の存在に気づきにくい点にあるが,核医学的検査と動脈造影により診断は確実に行い得る.一般に大腿深動脈の途絶によって患肢の循環不全は生じないため,治療としては,動脈の結紮術が最も安全かつ確実である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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