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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻12号

1985年12月発行

文献概要

臨床経験

骨内分化型骨肉腫の2例

著者: 村瀬正昭1 井形高明1 藤内守1 檜沢一夫2 広瀬隆則2 藤井義幸2 遠藤哲3 殿谷隆一3 中村巧3

所属機関: 1徳島大学医学部整形外科学教室 2徳島大学病理学第1教室 3三豊総合病院整形外科

ページ範囲:P.1451 - P.1456

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 抄録:慢性骨髄炎,線維性骨異形成,線維肉腫などとの鑑別に苦慮した骨内分化型骨肉腫の2例を報告する.症例1:22歳,男性,漁夫,昭和48年9月右大腿部痛出現.昭和49年5月病的骨折により受診.生検では線維性骨異形成と診断され,掻爬,骨移植術を受けた.術後1年半,局所再発し股関節離断術施行.腫瘍は灰白色,充実性であり,大腿骨下部では皮質を破壊して外方に膨隆していた.術後9年の現在,健在である.症例2:41歳,女性,昭和56年4月左膝部痛出現.昭和58年3月当科受診.生検にて骨髄炎,線維肉腫などが疑われたが,確定診断が困難なため,再度生検にて骨肉腫と診断し,大腿切断術施行.腫瘍は灰白色で硬く,左脛骨上半部の髄腔に充満し,出血,壊死が広範であった.大部分は髄腔内に限局していたが,一部は骨膜にも浸潤していた.術後1年にて肺転移をきたし,化学療法中である.本症例の診断および治療に関しては,今後の検討が必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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