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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻2号

1985年02月発行

文献概要

論述

特発性側彎症における胸郭について

著者: 栗尾重徳1 泉恭博2

所属機関: 1広島大学医学部整形外科学教室 2広島三菱病院整形外科

ページ範囲:P.135 - P.141

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 抄録:特発性側彎症の自然経過の分析はいまだ不充分であり側彎悪化因子について現在なお確立されたものがない.この悪化因子の追求を目的に特発性側彎症患者の特徴ある扁平な胸郭に注目し,胸郭と側彎度との関係についてX線学的分析を行った.症例は10歳から14歳までの女子で側彎度が50°までの右胸椎彎曲型の定型的特発性側彎症患者に限定した.検討症例は55例で,さらに対照として側彎が認められない10例も併せ検討した.胸郭の評価はTampasの方法に準じて胸郭の前後径,横径および胸郭の扁平率と側彎度との関係について検討した.結果は胸郭の扁平率,前後径と側彎度との間には明らかな逆相関関係,すなわち側彎度が大きい症例は胸郭の前後径が短かく胸郭が扁平であった.今回の分析より胸郭の測定値が側彎症の進行に大きく関与しており,胸郭の前後径,扁平率が悪化因子として予後判定に利用できることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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