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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻2号

1985年02月発行

文献概要

臨床経験

肩甲下部弾性線維腫の1症例

著者: 丸山博司1 江見葉子1 浦等1 白岩和巳1 堤雅弘1 高橋精一1 小西陽一1 三井宜夫2 杉本秀樹2 西村秀樹3

所属機関: 1奈良県立医科大学附属がんセンター・腫瘍病理 2奈良県立医大整形外科 3奈良県大和高田市立病院整形外科

ページ範囲:P.195 - P.197

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 抄録:著者らは,熊本県出身で約30年間の漁業の網引の仕事に従事していた職歴のある67歳の女性に,右肩甲下部の弾性線維腫の発生を認めたので報告する.本腫瘤は,世界的にみて沖縄県に最も多くみられるとされているが,稀な地理病理学的特徴を有した疾患と考える.組織学的に,腫瘤は被膜をもたず,豊富な膠原線維のある結合織からなり,これに成熟脂肪織の小島と血管成分が混在したもので,この中にWeigert染色に好染する数多くの弾性線維腫線維が認められた.これらの線維は,膵エラスターゼの前処置により消化された.本腫瘤は,遺伝的な体質的素因を背景にして,肩甲下部の場合では肩甲骨と肋骨弓との機械的刺激に対する一種の反応性増生によっておこると考えられる.著者らの症例も,恐らく個体の体質的素因と地理的因子に,外的因子が加わって発生したものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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