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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻2号

1985年02月発行

文献概要

臨床経験

運動時痛を伴ったtalar beak過形成の1症例

著者: 岩原敏人1 柴田稔1 石丸晶1

所属機関: 1旭川赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.203 - P.206

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 抄録:距骨頸部上縁に生じる骨棘類似の骨性増殖は,日常外来診察にてしばしば認められる.これはtalar beakやimpingement exostosesと呼ばれるものである.通常は無症状であるがスポーツ選手などで疼痛を生じることがある.今回我々はこのtalar beakの過形成が両側に生じたために両足関節の背屈制限と疼痛を来たした症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は20歳,男性,調理師.中学・高校と陸上の長距離選手だった.18歳ごろより両足関節前方に骨性隆起が出現して,ランニング時疼痛を伴った.レントゲンにてtalar beakの過形成を両側に認め,背屈時にこれが脛骨遠位端前方と衝突し背屈制限の原因となっていた.術中所見では距腿関節包がtalar beakのcap部に付着しており,成因として関節包付着部に働く繰返されるtractionが原因と思われた.術後両足関節の疼痛は消失した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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