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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻3号

1985年03月発行

文献概要

論述

動揺性肩関節CT像の解析

著者: 黒田重史1 坂巻皓2 松岡明2 森石丈二2 高田啓一3

所属機関: 1松戸整形外科病院準備室 2鹿島労災病院整形外科 3千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.241 - P.247

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 抄録:114例124肩の肩関節CT像を解析した.臼蓋前角Aと臼蓋後角Bを結びBよりA-Bに垂線を下し骨頭との交点Cを求め,角CABを臼蓋後方開角と名づけ比較検討した.動揺性肩関節16肩ではこの臼蓋後方開角は26.2°±1.9,内旋位でのみ動揺を認める28肩では17.3°±1.0,全く動揺の無い対照群80肩では12.2°±0.4とその動揺の程度と良く相関していた.臼蓋後方開角増大の原因は臼蓋形成不全と関節弛緩の為の上腕骨骨頭の前方移動である.臼蓋骨切り術を施行し,その術前後の臼蓋後方開角を追求しえた6例では,術前の31.7°±3.1に対し術後は18.7°±2.7と肩関節横断面における求心位も又良く改善されていた.一方肩関節外旋位でも著明な動揺を呈しながらも臼蓋後方開角が小さい症例に対して"Rotator interval"の修復術のみ施行した所,肩関節動揺は完全に消失した.つまり臼蓋後方開角の分析は術式選択上の極めて有用な指標となる事も確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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