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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻3号

1985年03月発行

文献概要

論述

進行性全身性硬化症における手の諸病変

著者: 吉田顕1 薄井正道1 荻野利彦1 三浪明男1 加藤博之1 高橋祥公2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2北海道大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.249 - P.256

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 抄録:進行性全身性硬化症(PSS)における手指病変について臨床症状とX線所見の点から検討を加え,早期診断の要点とX線変化の病期分類を試みようとした.対象は北大整形外科および皮膚科で治療した18症例である.初発症状の種類とその出現頻度,定型的病変が出現する時期における特徴的臨床所見について観察した.同時に手指X線写真から手指末節部の病変と罹病期間の関係を検討した.その結果,最も早期かつ高率に出現する臨床症状はRaynaud現象であり,朝のこわばり,関節痛がこれに次いだ.X線写真上,最も早期に出現する手指末節部の変化は末節骨骨硬化像であった.更に病期が進むとacroosteolysisが出現し,母・示指側から尺側指へと波及した.軟部組織の石灰沈着像は長期罹病患者にみられた.本疾患とRAの臨床所見およびX線所見の差異を考える上で,前者が循環障害を,後者が滑膜炎を基本としていることを念頭におくことが重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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