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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻3号

1985年03月発行

文献概要

論述

Kienböck病に対する長掌筋腱挿入術の長期成績—その手術適応に関して

著者: 白土修1 薄井正道1 荻野利彦1 三浪明男1 加藤博之1 石井清一2 三浪三千男3 依田有八郎4

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2札幌医科大学整形外科学教室 3北海道整形外科記念病院 4釧路労災病院整形外科

ページ範囲:P.257 - P.263

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 抄録:Kienböck病に対する「長掌筋腱挿入術」の術後成績を調査し,また術前後のX線的検討から本法の手術適応について言及した.手術時年齢23歳から55歳(平均38.8歳)の,術後3年以上経過した8例を対象とした.病期分類ではLichtman stage IIIが5例,IVが3例であった.臨床的には,握力,可動域,疼痛,原職復帰の4点について調査した.X線的には,C. H. I.(carpal height ratioの対健側比),Trapezoid-UlnaおよびHamate-Ulna Distance,Radio-Scaphoid angleを計測し,またOA変化の進行について調査した.Lichtmanの基準を満たすsatisfactoryは,8例中5例62.5%であった.Carpal collapseは,術後も進行しており,collapseの方向は尺側に偏位していた.また,OA変化も全例で進行していた.本法はstageの進んだ症例にも有効であったが,stage IIIかつC. H. I. 0.90以上の症例では,全例satisfactoryであり,できるだけcollapseの進行していない症例が,最も良い適応になると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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