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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻3号

1985年03月発行

文献概要

臨床経験

稀なMalignant Meningiomaの仙骨単独転移に対する仙骨高位切断術の経験

著者: 富田勝郎1 川原範夫1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.299 - P.303

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 抄録:仙骨部腫瘍に対する仙骨高位切断術は手術術式もさることながら,腰仙骨神経叢への配慮,骨盤帯の支持性確保,骨盤諸臓器への対策,大量出血の予防対策など多くの重要な問題を含んでおり,慎重に対処せねばならない.我々はmalignant meningiomaの仙骨単独転移症例(64歳・男性)に対して,術前処置として腫瘍栄養動脈に制癌剤注入後embolizationを行い,開腹により血管,神経を処理,次いで背側より仙骨,仙腸関節を露出し,第1,2仙椎間レベルにて腫瘍を含めた仙骨高位切断術を行った.仙腸関節の補強にはsacral barを用いた.本症例は術後1年を経過した現在,再発・転移なく,膀胱直腸機能は用手により代償可能で失禁なく,軽作業に従事している.またこのmalignant meningiomaの転移様式,転移部位につき文献的考察を加え,仙骨単独転移例は極めて稀であるものの,恐らく血行性に椎骨静脈叢を介した経路によるものであると結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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