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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻3号

1985年03月発行

文献概要

臨床経験

心理的要因で対麻痺が発現したと考えられる4症例

著者: 八木和徳1 渡辺政則1 勝見政寛1 本間隆夫2 斎藤英彦2 高橋栄明2 佐藤豊3

所属機関: 1新潟中央病院整形外科 2新潟大学付属病院医学部整形外科 3新潟大学理学療法科

ページ範囲:P.315 - P.319

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 抄録:心理的要因で器質的疾患と鑑別を要する程典型的な対麻痺を呈する事は稀である.意図的,無意識的に対麻痺を呈したと考えられる4症例を経験した.(症例1)46歳,男性,軽微な外傷後第8胸髄レベル以下の完全麻痺となったが脊髄造影施行時に詐病と見破ることができた.(症例2)25歳,女性.英国人,妊娠7カ月目より背痛が出現,第4胸髄以下の対麻痺となった.帝王切開直後より両下肢の自動運動が出現した.異国での出現への不安が起こした転換ヒステリーと診断された.(症例3)31歳,男性.(症例4)36歳,女性.器質的疾患が完全には否定できないが,あらゆる検査が正常で,異常な心理的側面をもち,対麻痺を示す広義のPSDと診断された.普段重要視されている個々の神経学的所見が診断を惑わし,正しい診断には総合的判断が重要であった.治療は心理的な支持を加味した理学療法が最も効果的だった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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