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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻4号

1985年04月発行

文献概要

特集 Spinal Instrumentation(第13回脊椎外科研究会より)

高度脊椎辷り症のInstrumentationによる治療経験—Spondyloptosisを中心に

著者: 里見和彦1 平林洌1 鈴木信正1 若野紘一1 小山明2 外川宗義2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室 2静岡赤十字病院・整形外科

ページ範囲:P.413 - P.425

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 抄録:Taillardの前方辷り率で50%以上の脊椎辷り症7例(dysplastic 4例,うち2例はspondyloptosis,spondylolytic 3例)を経験した.Spondyloptosis例は尿失禁を主訴とし,外見的には,側彎,腰部皮膚皺,でっ尻,凹足,槌趾がみられた,Dysplastic type特にspondyloptosisは,X線上仙椎上面のドーム化が著明で,他にslip angleの増大がみられた.Spondylolytic typeでは,slip angleの変化が少なかった.Myelogram上は,dysplastic typeは仙椎部以下全体の,spondylolytic typeはL5/S1間の限局性の狭窄像がみられた.
 Spondyloptosis例では,観血的に辷りの整復を試み,一時的には整復できた例もあったが,最終的には軽度の整復しか得られず,また,固定するという点からもその治療に難渋した.60%前後の辷りの最近の4例は両typeとも,sacral hookを逆向きにつけるHarrington法と前方固定術で,術前平均58%の辷りが24%に改善し,固定も良好で満足のいく結果となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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