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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻4号

1985年04月発行

文献概要

特集 Spinal Instrumentation(第13回脊椎外科研究会より)

脊柱シミュレーターを用いてのHarrington法の力学的解析—効果的ロッド設置方法について

著者: 貴島稔1 酒匂崇1 宇都宮健治1 中西賢二2

所属機関: 1鹿児島大学整形外科学教室 2鹿児島大学工学部

ページ範囲:P.481 - P.485

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 抄録:胸腰椎脱臼骨折に対し,強力な内固定力を有するHarrington systemが広く用いられるようになってきている.しかし本法の用い方は,人により異なり,主に臨床的経験より論議されている.著者らはHarrington systemの内固定力を力学的立場より評価する目的で,脊柱シミュレーターを作成し,本シミュレーターの力学的特性が,人体脊柱標本のそれと同じである事を確認した.更に本シミュレーターに,Harrington systemを各種の設置条件で設置し,脊柱に外力を加えた時,損傷椎体と周囲の靱帯に作用するモーメント量を測定した.その結果,損傷椎体および靱帯に作用するモーメント量を小さくする—即ち損傷脊柱を安定的に保持する—Harrington systemの設置法は,1)Distraction rodとCompression rodを組合せて用いる.2)Distraction rodと椎弓の間に接点を作る.3)Compression rodに可能な限り多くのフックを設置する.4)損傷椎体より遠位部にフックを設置する事である事,を定量的に明らかにした.臨床的には,損傷椎体の上下3椎弓部にDistraction rodとCompression rodを組合せて用いる事が,最も効果的なHarrington systemの用い方である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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