特集 Spinal Instrumentation(第13回脊椎外科研究会より)
新しいAnterior Spinal Instrumentationの臨床応用—手術手技と55例の成績
著者:
金田清志1
鐙邦芳1
橋本友幸1
小熊忠教1
佐藤栄修1
遠藤康治1
倉上親治1
風間昶1
山元功1
藤谷正紀2
樋口正法2
本間信吾3
竹林武宏3
越前谷達紀4
所属機関:
1北海道大学医学部整形外科学教室
2北海道整形外科記念病院
3札幌市立病院整形外科
4国立札幌病院整形外科
ページ範囲:P.517 - P.526
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抄録:新しいanterior spinal implants(dual rod-double screw system)を作成し,55例に臨床応用し,平均2年1ヵ月の経過観察で調査した.症例は胸椎腰椎損傷42例(粉砕骨折38例,陳旧性脱臼骨折4例),先天性腰椎後彎症4例,L4脊椎分離辷り症4例,不安定椎間板変性3例,脊椎腫瘍2例である.神経合併症は49例にあり,40例で椎体切除による椎柱管前方除圧術が行われた.Instrumentationによる固定脊椎数は3椎固定が最も多く,第1腰椎を中心とした胸椎下部と腰椎に多い.分離辷り症ではL4-51椎間固定である.骨癒合は53例96.4%に得られ,2例3.6%が後方から追加固定を受けた.後彎変形矯正は全体では50%,新鮮脊椎損傷例では76%である.神経障害の改善は61.2%で完全回復,30.6%が不完全回復,8.2%が変化なしであった.重度の合併症はなかった.早期離床にも拘らず良好な前方脊柱再建がinstrumentationで達成された.