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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻5号

1985年05月発行

文献概要

臨床経験

甲状腺機能低下症と慢性関節リウマチとの臨床的考察について

著者: 別所和也1 中村信也1 識田弘美1 三井弘1 林𣳾史1 園崎秀吉1 内田詔爾1

所属機関: 1東京大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.673 - P.675

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 抄録:慢性関節リウマチ(以下RA)は橋本氏病との合併頻度が高いといわれている.そこで我々はRAで治療中の患者で甲状腺機能低下症を有する8症例を調査し,その関節症状の特徴を調べてみた(8例中7例が橋本氏病であった).方法は患者への問診により甲状腺機能低下症並びにRAについての発症時の年齢・症状・現在までの経過等を調べた.また血液検査やX線像も参考にした.
 その結果,RAの発症時期と甲状腺剤投与開始時期は近い傾向にある事がわかった.また関節変形は少ない傾向にあり,手のX線写真では遠位指節間関節(DIPj)に所見が多かった.甲状腺剤投与では症状の緩解はみられなかった.
 以上より,この関節症は特異的な症状を持ち,甲状腺疾患と深い関連があるが,BlandらのいうHypothyroid-Rheumatic syndromeではないと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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