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脊髄灰白質は新陳代謝が旺盛で,血流量が多く,栄養血管が高密度に存在して柔軟であり,長軸方向の線維からなる白質よりもstressに対する抵抗が弱く易損性である.Goodkins & Campbellは猫の脊髄を打撃して,直後は何の変化もないが,2〜3分で灰白質内に点状出血をみとめ,2〜4時間後には集合して出血性壊死に陥り,病変が白質に波及する.8時間後には白質にも明らかな破壊を生じ,24時間後には広範囲の壊死とvacuolizationが上下髄節に及ぶという.外力が直接神経組織や血管を損傷したあと二次的な変化が損傷部を中心にある時間無情に進行して,脊髄機能を一時的に中断し,あるいは脊髄組織を永久的に破壊する.このような"self destruction"processのpathophysiologicalな機序は未だよく分らない.原因として,損傷部位の出血,vasoconstriction,微小血管の血栓形成,ischemia,hypoxia,毛細血管の透過性の亢進,浮腫,腫脹などが挙げられるが,損傷をまぬがれた白質伝導路をいかにして不可逆性変化から守るかが治療の要点であり,損傷後の数時間が大切である.
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