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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻6号

1985年06月発行

文献概要

論述

誘発脊髄電位による頸椎後縦靱帯骨化症の頸髄主病変部位の診断

著者: 里見和彦1 大熊哲夫1 添田修一1 若野紘一1 平林洌1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.707 - P.718

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 抄録:頸椎後縦靱帯骨化症による頸髄症は,神経学的所見ならびにX線学的諸検査によっても主病変高位を決めにくい例が少なくない.そこで7例の骨化症の除圧術時に,正中神経ならびに脊髄を刺激して誘発される脊髄電位を黄色靱帯あるいは椎間板から記録し,主病変部位の推定を試みた.導出波形を大熊の分類により3 stageに分けると,5例の黄色靱帯記録例では,4例に陽性波のみられるGrade 3の変化がみられ,同部位を主病変部位と診断した.またGrade 1,2の変化の高位から脊髄の横断面の障害範囲がある程度推定できた.椎間板記録の2例では,脊髄と記録電極の間に骨化巣があるためか,解析できる電位が記録できず限界が示された.除圧術直後にも電位を導出したが,陽性電位の陰性化がみられた例の麻痺の予後は良かった.頸椎後縦靭帯骨化症例の脊髄病巣範囲の推定に,後方導出による誘発脊髄電位の測定は有用な方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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