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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻6号

1985年06月発行

文献概要

論述

頸髄損傷に対する頸椎前方固定術の検討

著者: 木村功1 新宮彦助1 那須吉郎1 塩谷彰秀1 大濱満1 高濱顕弘1

所属機関: 1山陰労災病院整形外科

ページ範囲:P.719 - P.729

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 抄録:脊髄損傷急性期の治療にあたって,脊髄の二次的障害を最小限にとどめ,かつ早期に離床訓練を開始することを目標に,頸髄損傷の新鮮例63例,陳旧例64例,計127例に対して頸椎前方固定術を行った.頸椎の脱臼骨折あるいは椎間板などにより脊柱管に狭窄をきたしているもの,また脊柱に不安定を有する症例に対して,可及的早期に脊柱管の狭窄の除去と配列の矯正および安定性の獲得を目的として実施した.
 ①Frankelの神経学的評価による神経症状改善率は,新鮮例で57.1%であった.②Stoke Mandeville,徳島大学など他の治療成績の報告と比較して遜色はないが,本評価法は術前の判定時期に問題があり,これを来院時の症状とせず,脊髄ショックの影響の少なくなった受傷後48時間の症状で評価すると,改善率は47.6%となり,完全麻痺の2段階以上の回復率は0%となった.③陳旧例64例の改善率は28.1%で,不全麻痺例のなかに有用な回復をしめすものがあった.④不安定性の強い例には頸椎プレートを,また外固定としてFOZY装具(Fronto-Occipito-Zygomatic Brace)を考案して併用し,早期離床訓練を可能とした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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