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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻6号

1985年06月発行

文献概要

整形外科基礎

アルコール投与家兎にみられた大腿骨頭骨細胞の脂肪壊死

著者: 川井和夫1 臼井康雄1 清水富男1 渡辺康司1 広畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.751 - P.758

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 抄録:アルコール飲料は大腿骨頭壊死発症の重要な因子の一つであるが,アルコールと骨変化との関連を検索した研究は極めて少ない.そこでわれわれは実験的に家兎に長期間日本酒を与え,肝臓および大腿骨頭を病理組織学的に検索した.
 水のかわりに日本酒を18カ月間投与したところ血清学的には高トリグリセライド血症(対照群の約5倍)が生じ,肝臓には高度の脂肪肝が認められた.大腿骨頭には骨髄の脂肪髄化と骨端部骨細胞の広範な脂肪変性像が認められた.電顕的には脂質は骨細胞内に大きな低電子濃度の脂肪顆粒または脂肪空胞として観察された。これらの脂肪顆粒により核は細胞の一側に圧排されており,細胞は脂肪変性像を呈していた.
 以上のことより骨細胞の脂肪変性は全身の脂質代謝障害や脂肪肝と関連した所見と思われ,大腿骨頭壊死の発症に何らかの形で関与すると推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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