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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻6号

1985年06月発行

文献概要

整形外科基礎

抗生物質の骨組織内移行に関する研究

著者: 小泉慶一1 小鮒保雄1 清水敬親1 島崎幾夫1 前原進1 柘植和郎1 長谷川惇1 木村雅史1 宇田川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.759 - P.766

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 抄録:今回我々は,昭和57年10月〜昭和58年8月までに術中骨採取可能な症例33例を対象として,抗生物質の骨組織内移行に関する検索を行った.Cefoperazone(CPZ)2gを術前点滴静注し,骨片と静脈血を採取し,薄層Disc法により骨組織移行濃度と血清中移行濃度との関係を計測対比した.CPZ 2gの骨組織移行は点滴終了後より60分〜145分でかなりの高濃度を示し,骨海綿質内濃度は100分で29.0μg/gと最高を示し,骨皮質内濃度は125分で24.0μg/gと最高濃度を示した.濃度評価にArea under the curve AUCを用いて薬動力学的解析を行うと,骨海綿質のAUCは61.74μg/g・hr,骨皮質のAUCは52.60μg/g・hrであり,血清中濃度のAUC 267.40μg/ml・hrとの移行効率は,骨海綿質/血清比23.1%,骨皮質/血清比19.7%であり,骨組織内においてCPZが高濃度に長時間維持されており,骨皮質より骨海綿質の方がいく分移行がよい結果を示した.また健常骨と病的骨組織との移行性に関しては.5症例での比較において病的骨組織の方がまさっていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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