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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻6号

1985年06月発行

文献概要

臨床経験

分娩麻痺に対する上腕神経叢神経縫合の一経験

著者: 松尾隆1 元豊彦1 森久喜八郎2 香月正昭3

所属機関: 1福岡県立粕屋新光園整形外科 2浜の町病院整形外科 3総合せき損センター整形外科

ページ範囲:P.777 - P.780

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 抄録:生後2カ月に受診し,1歳5カ月まで麻痺の回復が見られなかった右上肢分娩麻痺児に対し,上腕神経叢の展開を行い,神経縫合を試みた.術前,肩関節以下が下垂し,殆んど動きはなく,わずかに母指に外転の動きが認められる.手背に潰瘍が見られ,知覚障害,循環障害の存在が示唆された.手術所見では,C5,C6の神経根が引き抜かれ,リンパ節様の腫瘤を形成していた.C7,C8の神経根は断裂していた.C5,C6の線維をC7,C8の断裂に移行縫合した.術後,肩の挙上,肘の屈伸が可能となり,前腕手部の知覚過敏状態が改善し,潰瘍も消失した.肩胛帯,上腕の筋萎縮も改善した.本疾患については発症機序など多くの考え方があるが,外傷性上腕神経叢麻痺に類似した所見がある事,神経修復の可能性のある事が確かめられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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