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シンポジウム 骨巨細胞腫の診断と治療
文献概要
抄録:骨巨細胞腫は,組織像において一様の比率で多核巨細胞と単核細胞(基質細胞)が散在する特徴あるパターンを形成するが,この像は特異的ではなく,他の多くの類縁疾患にも近似した組織像が認められる.従って組織診断に際しては広い範囲に特徴ある組織像を認める必要があり,一部分に限局している場合は他の疾患も考慮しなければならない.1940年にJaffeにより骨巨細胞腫は,一疾病単位として成立したが,pathogenesisは不明で,組織像も特異的でない為,臨床所見を加えたclinical entityとして成立した.この為,骨巨細胞腫の診断には年齢,解剖学的局在,などの臨床所見およびX線像,シンチグラムなどの臨床検査も重要である.骨巨細胞腫の診断を更に明確にするには,腫瘍細胞の性格と起源を検索し,明らかにする必要があると思われる.
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