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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻7号

1985年07月発行

シンポジウム 骨巨細胞腫の診断と治療

骨巨細胞腫の非定型組織像と鑑別診断

著者: 松野丈夫1 佐々木鉄人1 三浪明男1 八木知徳1 加藤博之1 薄井正道2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2札幌医科大学整形外科

ページ範囲:P.837 - P.849

文献概要

 抄録:骨巨細胞腫(Giant cell tumor of bone)は,Jaffeらが組織学的概念を確立して以来,その定型像に関しては諸家の一致をみているが,骨巨細胞腫は定型像以外に"aneurysmal bone cyst様","fibroxanthoma様","類骨・骨形成"など種々の非定型像を示す.そしてこれらの非定型像は症例によっては腫瘍組織の大部分を占めることも多く,aneurysmal bone cyst,benign fibrous histiocytoma,malignant fibrous histiocytomaなどとの鑑別に難渋することが少なくない.著者は,いかに非定型像が大半を占めていても,組織の一部分に骨巨細胞腫の定型像を認めれば,その症例は骨巨細胞腫として診断すべきと考える.
 悪性巨細胞腫に関しては,著者は,真の悪性巨細胞腫は極めて稀であり,従来悪性巨細胞腫とされていた,良性の組織像のまま転移した例や,放射線治療後悪性化した例はその範疇に含むべきではないと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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