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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻7号

1985年07月発行

文献概要

シンポジウム 骨巨細胞腫の診断と治療

骨巨細胞腫治療成績の比較—特に凍結手術症例について

著者: 高田典彦1 保高英二1 梅田透1 井上駿一2 松井宣夫2 石井猛2

所属機関: 1千葉県がんセンター整形外科 2千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.867 - P.871

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 抄録:骨巨細胞腫は関節近傍に好発する為,広範切除後の再構築がむずかしく術後関節機能低下をきたす可能性もある.そのため,我々は1972年以後,骨巨細胞腫の手術方法として準広範切除を行い,関節軟骨直下のみは掻爬手術にとどめ,cryosurgeryの導入により残存微小腫瘍細胞のcryonecrosisを期待し局所再発の可能性を最小限にし,関節機能温存を図った.昭和33年以降,我々の治療した骨巨細胞腫66例につき,治療法の変遷に従う治療成績について比較検討した.(結果)単純掻爬例では8/14(57%)の局所再発をみた.広範切除群では2/12(17%)の局所再発をみた.Cryosurgery導入群では2/35(5%)の局成再発であり,術後遷延感染症1例をみたが骨癒合の遅延例はない.また術後変形治癒1例,変形性関節症2例をみた.(結論)骨巨細胞腫の手術療法としては準広範切除に加えて関節軟骨直下のみcryosurgeryの導入により関節機能を保ちつつ局所再発を予防可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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