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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻7号

1985年07月発行

シンポジウム 骨巨細胞腫の診断と治療

骨巨細胞腫57例の経験から

著者: 川口智義1 網野勝久1 松本誠一1 真鍋淳1 多湖光宗1 和田成仁2 古屋光太郎2 磯辺靖2

所属機関: 1癌研整形外科 2東京医科歯科大学整形外科

ページ範囲:P.873 - P.881

文献概要

 抄録:骨巨細胞腫57例の治療とその結果を反省し治療選択の指標について検討した.四肢骨病巣は意図する手術が行い易い部位であるが局所再発率は15%,転移率は2%であった.四肢骨病巣で掻爬,ブロック切除いずれを選ぶかは組織学的所見よりも臨床所見(増大速度,X線所見,腫瘍の広がり)により決定するのが実際的である.しかし組織所見で悪性の線維成分の多い時にはより広範な切除を行う方がよい.躯幹骨(仙骨,骨盤,脊椎)病巣では初回の徹底した病巣切除が必要で,そのためには腫瘍部周囲の灌流動静脈を充分結紮することが大切である.術前放射線治療には止血効果があるが,凍結,腸骨動脈駆血,レーザーに止血効果は期待できない.しかし凍結手術には腫瘍壁のmicroscopicな病巣を致死する効果がある.再建術についてみると,ブロック切除後の再建法は部位,年齢,職業などによりある程度決定される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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