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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻8号

1985年08月発行

文献概要

論述

Aneurysmal bone cystの成因について(その2)—脈管学的検査結果から

著者: 石田俊武1 大向孝良1 宋景泰1 奥野宏直2 石川博通2 高見勝次2

所属機関: 1大阪市立大学医学部整形外科学教室 2日生病院整形外科

ページ範囲:P.915 - P.923

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 抄録:Aneurysmal bone cystの成因に関して,Lichtensteinが発表した局所の血管の形成異常のために血流の停滞を生じ血管が拡張して内圧が高まりその器械的な圧迫のために骨組織を破壊して病巣が発生拡大するとの器械的圧迫説につき,症例が長管骨のメタフィーゼに多発し,しかも偏心性に拡大する傾向をもつことから疑問を感じた.偏心性に拡大するのであればむしろremodellingに関係するosteoclastの活動を主と考える方が理屈に合う.器械的な圧迫説が症例でも適応しうるか否か,血管造影および嚢腫造影を施行して検討した.血管造影では,造影剤が嚢腫状に貯溜して圧迫しつつ拡大しているような所見は全くみられない.嚢腫造影でも,造影剤の入った嚢腫を取り囲んで病巣組織が存在し,嚢腫内圧は17.6mmHgで周囲を圧迫して著明に拡大する圧ではない.以上の所見から,嚢腫内の血液の圧迫は極めて弱く二次的なもので,主役は病巣組織内に存在するosteoclastまたはosteoclast様細胞の活動と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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