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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻8号

1985年08月発行

文献概要

論述

頸椎前方固定後の偽関節,骨癒合遷延に対する棘突起ワイヤリング

著者: 冨士武史1 米延策雄1 藤原桂樹1 山下和夫1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.949 - P.955

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 抄録:頸椎の前方椎間固定術,椎体亜全摘手術は広くなされているが,偽関節や骨癒合遷延も5〜20%にみられる.この偽関節・骨癒合遷延に対して骨移植しないで棘突起ワイヤリングによる固定を9例に行った.平均2年2カ月の追跡調査で7例は術前に移植骨と椎体間にみられたレ線透亮像が消失し骨梁も連続して骨癒合が完成した.骨癒合が得られなかった2例については,前方固定後長期間経過していたこと,1例はワイヤリングの方法が悪く技術的な問題があったこと,もう1例は移植骨が圧潰・消失しており母床にも骨形成(硬化像)のみられなかったことなどが原因と考えられた.
 以上の経験より頸椎前方固定術後の偽関節,骨癒合遷延に対する骨移植を行わない棘突起ワイヤリングは,適応を選べば小さな侵襲で良好な結果が得られることがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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