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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻8号

1985年08月発行

文献概要

臨床経験

小児にみられた全指ばね指の1例

著者: 釼持和彦1 伊藤恵康1 堀内行雄1 内西兼一郎1 小池昭2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2浜松日赤整形外科

ページ範囲:P.993 - P.997

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 抄録:小児にみられるばね指は主として一側または両側拇指罹患例が多く,弾撥現象を呈することよりも拇指屈曲位拘縮を主訴として来院することが多い.最近我々は全指に高度な運動制限を来たして来院した13歳,女子が過去に弾撥現象を呈していたことを知り,ばね指による運動制限と診断し手術を行った.本症例は,浅,深両屈筋腱が共通の硬化した滑膜に包まれ滑動性が著しく制限され,DIP関節まで運動制限が存在しており,小児のばね指のような屈筋腱の腫大もなく,また成人のばね指のような靱帯性腱鞘の肥厚も著しくはなかった.鑑別診断としてはarthrogryposis multiplex congenita,Still's disease,rheumatic fever,camptodactyly,familial arthropathy and camptodactyly,etcが考えられる.しかし臨床症状,病理組織学所見,全身症状において明らかな関連性はなく,小児にみられた全指ばね指と診断し手術を行い良好な結果を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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