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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻8号

1985年08月発行

文献概要

臨床経験

Foramen magnum tumorの1例

著者: 五十嵐一郎1 樋口雅章1 川岸利光1 中條正博1

所属機関: 1富山県立中央病院整形外科

ページ範囲:P.999 - P.1003

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 抄録:大後頭孔近傍に発生した脊髄腫瘍は,神経学的に多彩な症状を呈し,早期に正確な診断を下すことが困難であり,発症から確定診断に到るまで長期間を要する場合が多い.今回我々は,発症より4年以上を経過したforamen magnum meningiomaの1例を経験したので報告する.症例は44歳女.大後頭神経の圧痛,頸椎運動制限,四肢の反射亢進と筋力低下,後索障害による失調性歩行と振動覚の低下,排尿障害を認め,myelogram,MCTでC1下縁レベルでの完全ブロック像を呈した.C1C2椎弓切除,後頭窩開頭により,脊髄を右後外側より強く圧迫する腫瘍をpiecemealにほぼ全摘.術後1.5カ月で一部反射異常と軽度の筋力低下は残るものの,ほぼfull recoveryとなり,Philadelphia braceからsoft collarに変えて退院となった.Foramen magnum tumorの診断には,正確な神経学的所見の把握と確実なmyelogramおよびMCTが必要であり,またその治療には易損性となっている脊髄に新たな損傷を加えないよう充分の注意が大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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