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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻9号

1985年09月発行

文献概要

論述

後縦靱帯を穿破した頸部椎間板ヘルニアの診断と治療

著者: 井須豊彦1 岩崎喜信1 田代邦雄2 阿部弘1 宮坂和男3 伊藤輝史4

所属機関: 1北海道大学医学部脳神経外科学教室 2北海道大学医学部脳神経外科神経内科部門 3北海道大学医学部放射線科 4室蘭日鋼記念病院脳神経外科

ページ範囲:P.1035 - P.1041

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 抄録:後縦靱帯を穿破した頸部椎間板ヘルニアの術前診断並びに手術時の問題点につき,検討を加えた.〈方法および対象〉CTはSiemens社Somatom IIならびに東芝TCT 60Aを使用し,脊髄造影はMimer IIIにて,動態撮影を行った.対象は手術が施行された後縦靱帯を穿破した頸部椎間板障害11症例である.〈結果〉①脱出髄核は,plain CT上,Hounsfield値76-98の軟部組織陰影として描出され,CT myelographyでは,局所的な脊髄圧排像が示された.②脊髄造影では,中間位にても,脊髄圧排像は残存し,多くの場合,罹患椎間板上下の椎体の高さ1/2を越えた.③後縦靱帯の数mmの裂孔を通して,髄核は,靱帯間あるいは硬膜外腔へ脱出していたが,靱帯を切除して摘出した.④術後成績は全例良好であり,11例中7例は優,4例は良であった.〈結語〉脱出髄核の後縦靱帯穿破の有無は神経症状発現機序を理解する上でも,また,手術操作上,重要であるが,CT,脊髄造影にて,術前診断は可能であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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