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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻9号

1985年09月発行

文献概要

臨床経験

高圧圧注損傷による後骨間神経麻痺の1例

著者: 鈴木宏1 名村臣夫1 西川正治1 森良樹1 小川亮恵1

所属機関: 1関西医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1099 - P.1102

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 抄録:症例 45歳,男性.高圧下の合成樹脂が点検中の押出し機より誤って右前腕伸側中枢1/3に注入され,近医にて皮膚縫合を受けたが指MP関節伸展不能となり当科を受診した.X線上異物は認めなかったが,後骨間神経麻痺症状を呈していた為,異物確認と神経修復を目的に受傷後6週目に手術を施行した.回外筋浅頭を切開すると,骨間膜と回外筋深頭間との間に存在する合成樹脂を認め,これが後骨間神経を圧迫し麻痺症状を起したと考えられた.術後4カ月で筋力は正常に戻り原職に復帰しており,何等愁訴は認めていない.高圧圧注損傷による後骨間神経麻痺の報告例は文献上見られず恐らく内外初めての報告と思われるが,高圧圧注損傷症例を扱うに際し注入物質が大量である可能性と組織障害を惹起する化学物質である可能性を常に念頭に置き適切な初期治療を施すべきであることを強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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