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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻9号

1985年09月発行

文献概要

臨床経験

坐骨神経に発生した巨大な孤立性神経鞘腫の1症例

著者: 鈴木基広1 永野柾巨1 泰江輝雄1 福島明1 佐藤功一1 小勝薫1 三浦妙太2

所属機関: 1佼成病院整形外科 2佼成病院病理科

ページ範囲:P.1103 - P.1106

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 抄録:坐骨神経に発生した巨大な孤立性神経鞘腫の一例を経験したので報告した.症例は48歳男性.約10年前,左大腿後面に無自覚性の小結節を生じ,漸次増大した.来院時,腫瘤は24cm×25cm,弾性硬で圧痛があった.術前検査により悪性新生物を考えて手術を行った.腫瘤は大腿二頭筋の深部に存在し,被膜に包まれ,坐骨神経本幹に連続していた.大きさは19cm×13cm×12cm,重さ1,852gと巨大な腫瘍であった.割面は充実性で,肉眼的には黄白色で一部に出血巣が認められた.病理組織はAntoni A型とAntoni B型の混合型の神経鞘腫であった.坐骨神経に発生する腫瘍には悪性のものが多く,神経鞘腫で,本症例のごとく巨大なものは,今日まで報告がなされていない.症例は術後5年間の経過観察をするも,再発の徴候なく,元気に社会生活を送っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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