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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科21巻1号

1986年01月発行

雑誌目次

巻頭言

第59回日本整形外科学会学術集会開催に当って

著者: 泉田重雄

ページ範囲:P.1 - P.2

 日本整形外科学会会員数は本年度を以て1万2千人に達するものと思われる.単一学科の学会として,本学会程に急速に大きく成長した学会は他に余り例がないのではなかろうか.それにつけても,恩師岩原寅猪名誉教授が日本整形外科学会会長として,本学会を主催されたのは昭和25年のことであった.当時未だ若手の駆出し整形外科医であった私も教室の諸先輩の驥尾に付して雑用に走り回ったのである.因に当時の整形外科学会は会員総数1113名,評議常定数は明らかでないが評議員会出席者67名,年会費500円であった.又,学術集会は演題数は,宿題報告2題,一般演題90題で,一会場で3日間にわたって行われた.その会場は現在もある慶大医学部の北里記念医学図書館講堂で椅子席466であった.現今会員数は当時の10倍余り,而も当時会員の半数は外科の先生方であったことを考慮すれば,真に隔世の感がある.実際に当時行った調査で日本全国で整形外科医の数は500名をいくらも越えず,一人の整形外科医もいない県がいくつかあったのである.更に又,形成外科やリハビリテーション等の全部とは言えないまでも相当部分が整形外科から発展的に分離独立して行ったことを考えると一層その感が深い.しかし,学会の巨大化に伴って又多くの難しい問題を生じて来たことも事実であって,一面避け難いことでもある.例えば学術集会一つをとって見ても学会員の増加,学会のマンモス化は当然学術講演演題数の増加を招く.学会会期の延長は簡単に行い難いので,学会場の増加と講演・討論時間の短縮を招くことになり,このことは一般会員の講演視聴を抑制して学会出席の利得を削減することになる.

論述

Extraforaminal Lateral Lumbar Disc Herniation—診断と手術法に関する考察

著者: 藤谷正紀 ,   樋口政法 ,   金田清志 ,   小熊忠教 ,   佐藤栄修 ,   藤谷直樹 ,   宮坂和男

ページ範囲:P.3 - P.11

 抄録:最近の過去2年間に当院で手術を必要とした腰椎椎間板ヘルニア患者は132例である.術前にmyelographyとCTの両者の検査を行うことにより10例(7.6%)のextraforaminal lateral lumbar disc herniationを診断し,手術的治療を行った.罹患椎間板高位はL4/L5 2例,L5/S1 8例で,L5/S1に多い傾向があった.臨床症状はL4/L5ではL4神経根症状,L5/S1ではL5神経根症状を呈した.Myelogramは一般に陰性所見を示し,陽性所見の3例はいずれも53歳以上の椎間板変性の所見を伴った例のみであった.臨床診断が腰椎椎間板ヘルニアで,myelogramでこれを説明する所見が乏しい場合は特に本疾患の存在を念頭に入れて,CT検査を行うと容易にその有無がわかる.直視下にヘルニアを摘出するためには,片側椎間関節切除により充分に外側まで展開することが必要であり,後側方固定術を加えることが不可欠である.術後の良好なalignmentを保持するには,spinal instrumentationの併用がよい.

十字靱帯損傷を合併した膝関節外側支持機構損傷例の検討

著者: 三倉勇閲 ,   伊勢亀冨士朗 ,   冨士川恭輔 ,   阿部均

ページ範囲:P.13 - P.23

 抄録:目的:膝関節の複合靱帯損傷は原則的に一次修復を行うべきであり修復には手術侵襲をできる限り少なく行う事が理想である.膝関節外側支持機構には腸脛靱帯,外側側副靱帯,大腿二頭筋,膝窩節および関節包等があり十字靱帯損傷が加わると損傷像も複合し修復の際,侵入路の決定においても困惑する事が少なくない.今回われわれは十字靱帯損傷と外側支持機構損傷を合併した新鮮手術例30症例をもとに病態像,診断,手術侵入路について検討を加え報告する.
 方法および結果:十字靱帯損傷を上位,中央部,下位損傷に分類し,さらに外側支持機構の損傷部位を関節裂隙を中心に上位,下位損傷に分類し,十字靱帯と外側支持機構の損傷像について検討した.前十字靱帯の上位損傷や中央部損傷では外側側副靱帯の上位損傷の合併が多く,前十字靱帯の下位損傷では腸脛靱帯の下位損傷の合併が多い.後十字靱帯の下位損傷には外側側副靱帯の下位損傷の合併に留意する必要がある.十字靱帯損傷を含めた外側支持機構損傷の診断には腸脛靱帯徒手検査や外側側副靱帯徒手検査が有用である.手術時皮切は主として3つの皮切で行うが後十字靱帯損傷が合併する場合Kaplanの外側切開とTrickeyの後方切開の組合せが有用である.

シンポジウム 骨盤臼蓋の発育

発生学からみたヒト寛骨臼の発育について—先天股脱における前方欠損の発生メカニズム

著者: 綿貫昭則 ,   桜井啓一 ,   松崎交作 ,   岡安勤 ,   西田仁丸 ,   嶋良宗

ページ範囲:P.25 - P.32

 抄録:ヒト成人の寛骨臼では,その臼縁が円形を呈するものは僅かで,真の球状の場合は意外に少ない.胎児から新生児における寛骨臼は,その臼縁は頭尾側方向に長い楕円形を呈し,月状軟骨面は背側のみが優位で腹側に向い大きく開いている.これは猿の寛骨臼に類似しており,直立二足歩行の中間位に下肢を保持すると,骨頭は外偏し臼蓋との間に不適合が生じてくる.学童期の寛骨臼でも,後方に比べ前方寛骨臼は貧弱で,Y軟骨部はT字形を呈している.これに比べヒト成人の寛骨臼縁は,より円形に近く恥骨上枝,腸恥隆起,腸骨の前下方部がよく発育し,直立二足歩行に際し骨頭を前方からよく包み保持している.つまり,ヒトとしての球型の安定股になるためには,前方臼蓋の後天的な発育が要求される.CDHなどの股関節に異常が生じた場合,この部の発育はとくに阻害され,臼の前方欠損としてあとに大きな問題をのこす.

ヒト寛骨臼の発育—acetabular cartilage complexにおける二次骨化中心

著者: 東博彦 ,   賀古建次 ,   松井健郎

ページ範囲:P.33 - P.41

 抄録:ヒト寛骨臼の発育はacetabular cartilage complexによって行われ,8歳から12歳頃までに二次骨化中心が出現する.Acetabular cartilage complexは臼底部ではY字状を呈し,外方へのびて軟骨幅を増してカップ状となり,関節軟骨へ移行する.われわれは解剖学材料の2例(8歳,女と14歳,男)で二次骨化中心を確認し,前者の組織像で軟骨表面に島嶼状の骨形成を認め,後者では二次骨化中心より形成された骨が臼縁を囲んでいた.ラットでの連続組織標本ならびに発育期ヒト寛骨臼CT scanによる検索で,臼辺縁と臼底の二次骨化中心は成長とともに互いに癒合し,連続して存在する.寛骨臼の発育とくに臼前方および上方部の発育にこれら二次骨化中心は重要な意義を有するものと思われ,これらの骨化中心をos acetabuliまたはacetabular epiphysisと総称するのが妥当と考える.

先天股脱治療後の臼蓋形成不全の推移について—骨盤発育の計数に関連して

著者: 泉田良一 ,   中川智之 ,   泉田重雄 ,   藤中星児 ,   坂巻豊教 ,   石倉哲雄 ,   山田治基 ,   沖永明 ,   福秀二郎

ページ範囲:P.43 - P.50

 抄録:先天股脱初期治療後の側方化及び臼蓋形成不全の推移につき,昭和34年に教室の鈴木,榊田らが行った正常股関節の発育過程の研究を基に論じた.側方化,臼蓋形成不全等に対する計測法は,いまだに意見の一致をみないが,我々は側方化の指標としてPauwelsの力学モデルのleverarm bの小児版ともいうべきCO値(骨盤正中線骨頭中心点間距離),臼蓋形成不全の指標としてEO値(骨盤中心線骨頭中心点間距離)を提唱した.又成長を年齢ではなく骨盤内径の1/2(YO値)を用いて表わすことの有用性を論じた.これにより,初期治療後の側方化が,臼蓋形成遅延群とも呼ぶべき,みかけの側方化群と真の側方化群に別けられることを示した.後者でも経過期間中に臼蓋過成長による,骨頭被覆率の改善がみられたが,その過成長が成長終了まで続くかどうかは疑問である.又従来の指標につき論じたが,特にCE角を用いての側方化の評価に対する疑問点を明らかにした.

保存的治療後の臼蓋発育

著者: 池田定倫 ,   岩崎勝郎 ,   鈴木良平

ページ範囲:P.51 - P.57

 抄録:先天股脱の脱臼整復後の臼蓋の発育の経過にみられる注意すべきX線上の所見を検討し,それが思春期から発育終了時の臼蓋にどのような影響をおよぼしたかについて調査すると共に,非脱臼側の臼蓋の発育の経過をパターン化した.対象症例は,1959年から1970年までに,保存的治療のみを行った93例であり,治療法はLorenz法が77.4%と大部分である.
 それらのX線像より,腸骨下端部の幅が5歳時において,非脱臼側と比較し,3mm以上の差のある症例や,臼蓋前方外側縁の欠損が,5歳においてなお観察される症例,5歳時の臼蓋角が30゜以上の症例は,予後不良群と判定された.臼蓋の発育のパターンは,Sharp角(A)=-0.0779t2+1.0655t+43.654(t=年齢)の2次曲線であらわされ,そのピークは7歳〜8歳であった.

先天股脱児のSharp角の経年的推移

著者: 司馬良一 ,   鷲見正敏 ,   広畑和志

ページ範囲:P.59 - P.65

 抄録:先天股脱児の生後から成人にいたるまで経年的に寛骨臼の発育の状態を観察した.いわゆる健側の非脱臼側は正常股と同じ推移をするが成人ではSharp角は正常上限の42度となる.脱臼例は全般的に臼蓋形成不全であり,しかし保存的整復例は14歳以降寛骨臼は発育し健側との差はなくなり43度となる.一方,観血的に整復した症例は強い臼蓋形成不全であり,12歳まではSharp角は50度以上を持続し,13歳以降でも47度以下にはさがらない.また減捻内反骨切り術を追加した症例と追加しなかった症例の間には寛骨臼の発育にまったく差はみられない.この結果より,脱臼例で観血的に整復した症例は臼蓋形成不全があれば早期に臼蓋形成手術をするのが好ましく,また保存的に整復した症例や非脱臼側はX線計測上臼蓋形成不全はあっても発育することが期待できるので,臼蓋形成手術の適応は慎重につけなければならない.

成人臼蓋不全股の骨盤形態の特徴—Inward Wing CT像について

著者: 久米田秀光 ,   船山完一 ,   宮城島純 ,   北純 ,   細越悠夫 ,   村上享 ,   鴇田俊一

ページ範囲:P.67 - P.75

 抄録:成人の臼蓋形成不全は,骨盤・寛骨臼の発育上の欠陥あるいは先天股脱治療後の遺残性亜脱臼の結果と考えられるが,私達は臼蓋形成不全の形態学特徴をより立体的にとらえるため単純X線に加えCTを用いて検索した.正常者は43例86関節,臼蓋形成不全者は31例60関節を対象とし,CTのslice部位は,scout viewより両上前腸骨棘間,上部臼蓋縁,両大腿骨頭中心部とし,両上前腸骨棘間距離,腸骨翼前方開角,両大腿骨頭間距離をそれぞれ測定した.その結果,臼蓋形成不全者は正常群にくらべ両上前腸骨棘間距離が平均3.5cm狭く,腸骨翼前方開角も平均5.4度大きく骨盤は全体に前すぼまり,すなわち「Inward Wing」と仮称できるような形態学的特徴をもっていることを示唆した.またCTの重積図を作成し,大腿骨頭のlateralizationなど臼蓋形成不全の特徴を立体的に示した.

手術手技シリーズ 関節の手術<上肢>

肩関節不安定症に対する手術

著者: 信原克哉 ,   池田均 ,   塚西茂昭

ページ範囲:P.77 - P.82

はじめに
 途方にくれる—という表現があるが「肩関節不安定症に対する手術」という命題をもらったときの状態がまさにそれであった.まずおきた不安は,肩関節不安定症への他の認識と私のものとが異なっているとしたら,読者は混乱するであろうし,もし誤った手術適応が行われるとすればその結果は患者にとって悲惨なものとなるに違いない,ということであった.
 The Unstable Shoulder—その邦訳と考えられる肩関節不安定症という名称が散見されるようになったのはごく最近,数年前のことである.そしてこの傾向は確かな根拠はないが多分,Surgery of the Shoulder(DePalma)という本によるところが大きいようである.本邦で愛読されてきた彼の初版(1950)のものが,第2版(1973)になって少し項目を替えているのに気付いたとき,私は奇異な感を抱いたものである.それは習慣性(又は反復性)脱臼が「脱臼」の項からはずされ習慣性亜脱臼と一緒になって,肩関節不安定症の項を構成しているところであった.さらに10年経て,第3版ではその期間に報告された論文が集録され,随意脱臼,後方脱臼,下方および多方向(亜)脱臼,非外傷性の不安定症など,今日話題となっている題材が羅列されているのである.

整形外科を育てた人達 第34回

Nikolai Ivanovich Pirogoff(1810-1881)

著者: 天児民和

ページ範囲:P.84 - P.87

 ロシヤ生れの傑出した外科医Pirogoffはロシヤの首都Moscowで生れた.その年は1810年で,トルコとの戦争があり,その前年にはスエーデンと戦い,Finlandがロシヤの皇帝の支配を受けることになり,ロシヤが勢力を拡張しつつあった頃である.
 幼時の教育は家庭で行われ,その後小学校に入り,14歳で早くもMoscow大学の医学部に入学している.3年後にはM. D.の資格が与えられた.未だ18歳の少年であるが,当時ロシヤの学術水準が低くなっていた結果である.Pirogoffも更に勉強する必要を認め,新しく設立されたEsthoniaのDorpat大学に入学した.この新しい大学はドイツ医学の影響が強く,他の欧州の医科大学の水準を保ち,ロシヤの大学教授の養成所の感もあった.

臨床経験

妊娠中に発症した馬尾神経部上衣腫の1例

著者: 浜田宜和 ,   今川俊一郎 ,   天野幹三 ,   久保田政臣

ページ範囲:P.89 - P.92

 抄録:我々は,妊娠中に発症し,術後照射が有効であった馬尾神経部上衣腫の1例を経験した.症例は26歳女性で,妊娠5ヵ月で発症し,激しい夜間痛のためnocturnal chair-sittingを呈していた.発症後21ヵ月(出産後16ヵ月)で手術を施行した.腫瘍は顕微鏡下に全摘したが(病理診断:myxopapillary ependymoma),術後5ヵ月で腫瘍の再発によると思われる症状の再発をみ,術後照射の必要性を考えさせられた症例であった.症例の報告と共に本症と妊娠との関連及び治療法に関し若干の文献的考察を加えた.

脛骨慢性骨髄炎に開放骨折を伴った1症例の治療経験

著者: 今村貴和 ,   原田敦 ,   伊藤晴夫 ,   笠井勉

ページ範囲:P.93 - P.97

 抄録:症例は60歳男性であり,50年来の右脛骨慢性骨髄炎に開放骨折,更に皮膚欠損を伴ったものである.まずキュンチャー釘にて内固定後,Papineau法に準じて,病巣削除,海綿骨移植,皮膚移植を段階的に行った.受傷後約1年で骨折部の癒合を確認.約1年4ヵ月後の時点では1本杖歩行,正座も殆んど可能となった.又,生化学的及び臨床的にも骨髄炎の再発はみておらず,満足すべき結果であった.本法は1960年,Papineauにより考案された手技であり,近年進歩してきたマイクロサージャリーを応用した遊離骨・軟部組織移植法と比べ,経過に時間は要するものの,手技が容易で,一般病院においても比較的安心して行える優れた方法といえよう.

Silicone rubber hingeとMcBride法を併用したRA母趾変形矯正の長期追跡結果

著者: 上畑元宏 ,   綿谷和男 ,   居村茂明

ページ範囲:P.99 - P.102

 抄録:RA母趾変形の矯正については,種々の方法が報告されているが,変形の再発防止が残された問題となっている.我々は,この変形に対し,Swansonの指用silicone rubber hinge(最近には趾用hinge)を用いたMTP関節のresection implant arthroplastyとMcBride法及び伸筋腱固定を併用して来たが,その結果を追跡調査し報告する.
 症例は21例30足で,全て女性,追跡の期間は1年以上9年未満,平均5.2年である.変形再発の傾向は,術前,術直後,調査時におけるレ線前後像を用い,第1中足骨と第1基節骨のなす角度及び第1・第2中足骨のなす骨間角を計測して検討した.その結果,数例の技術的未熟例を除き矯正角は良く保存され,特に第1・第2中足骨骨間角では術後の角度より更に改善のみられたものが多く,本手術における軟部組織処理の重要性が確認された.

距骨に発生したchondroblastoma

著者: 森本一男 ,   指方輝正 ,   北潔

ページ範囲:P.103 - P.106

 抄録:39歳男子.右距骨に発生し,X線像で著明な硬化像を示し,病巣は嚢胞を形成していたChondroblastomaの1症例を経験した.文献的に足根骨原発の骨腫瘍発生頻度は0.2〜0.1%と少なくなく,距骨ではgiant cell tumorやchondroblastomaが多く,踵骨では悪性骨腫瘍が発生し易い違いがある.電顕的観察を行いchondroblastomaの発生についても推察した.

反対側に症状を呈したL1/2椎間板ヘルニアの1症例

著者: 長秀行 ,   鼓敏光 ,   斉藤正伸 ,   小亀正春 ,   金哲彦 ,   浅井達郎

ページ範囲:P.107 - P.111

 抄録:42歳,男性.腰痛発現後2日目に左下肢麻痺及び膀胱直腸障害が出現した.脊髄造影で,L1椎体高位で右側からの圧排とL1/2椎間レベルで造影柱の完全停止像を認めた.CT-ミエログラムでL2椎体中央部高位で馬尾神経の左側偏位がみられ,右前方からの圧迫が考えられた.椎弓切除術施行.左L1/2椎間関節の内方への肥厚があり,同部に接した硬膜は,一部赤味を帯びており,圧迫を疑わせる所見であった.左側の硬膜前面部及び椎間部には異常はなかった.右側の硬膜前面部において,L1/2,椎間からL1椎体にかけ脱出した髄核が認められ摘出した.馬尾神経及び神経根の走行異常はみられなかった.術後5ヵ月の現在,神経症状も正常に回復し,現職に復している.本症例は,L1/2髄核脱出がおこり,脱出髄核と反対側の脊柱管後外側方狭窄部との問に馬尾神経がはさみこまれ,強い衝撃をうけた為,髄核脱出側とは反対側の馬尾神経症状を呈したものと推論された.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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