icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻1号

1986年01月発行

文献概要

論述

十字靱帯損傷を合併した膝関節外側支持機構損傷例の検討

著者: 三倉勇閲1 伊勢亀冨士朗1 冨士川恭輔1 阿部均1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.13 - P.23

文献購入ページに移動
 抄録:目的:膝関節の複合靱帯損傷は原則的に一次修復を行うべきであり修復には手術侵襲をできる限り少なく行う事が理想である.膝関節外側支持機構には腸脛靱帯,外側側副靱帯,大腿二頭筋,膝窩節および関節包等があり十字靱帯損傷が加わると損傷像も複合し修復の際,侵入路の決定においても困惑する事が少なくない.今回われわれは十字靱帯損傷と外側支持機構損傷を合併した新鮮手術例30症例をもとに病態像,診断,手術侵入路について検討を加え報告する.
 方法および結果:十字靱帯損傷を上位,中央部,下位損傷に分類し,さらに外側支持機構の損傷部位を関節裂隙を中心に上位,下位損傷に分類し,十字靱帯と外側支持機構の損傷像について検討した.前十字靱帯の上位損傷や中央部損傷では外側側副靱帯の上位損傷の合併が多く,前十字靱帯の下位損傷では腸脛靱帯の下位損傷の合併が多い.後十字靱帯の下位損傷には外側側副靱帯の下位損傷の合併に留意する必要がある.十字靱帯損傷を含めた外側支持機構損傷の診断には腸脛靱帯徒手検査や外側側副靱帯徒手検査が有用である.手術時皮切は主として3つの皮切で行うが後十字靱帯損傷が合併する場合Kaplanの外側切開とTrickeyの後方切開の組合せが有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら