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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻1号

1986年01月発行

文献概要

シンポジウム 骨盤臼蓋の発育

先天股脱児のSharp角の経年的推移

著者: 司馬良一1 鷲見正敏1 広畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.59 - P.65

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 抄録:先天股脱児の生後から成人にいたるまで経年的に寛骨臼の発育の状態を観察した.いわゆる健側の非脱臼側は正常股と同じ推移をするが成人ではSharp角は正常上限の42度となる.脱臼例は全般的に臼蓋形成不全であり,しかし保存的整復例は14歳以降寛骨臼は発育し健側との差はなくなり43度となる.一方,観血的に整復した症例は強い臼蓋形成不全であり,12歳まではSharp角は50度以上を持続し,13歳以降でも47度以下にはさがらない.また減捻内反骨切り術を追加した症例と追加しなかった症例の間には寛骨臼の発育にまったく差はみられない.この結果より,脱臼例で観血的に整復した症例は臼蓋形成不全があれば早期に臼蓋形成手術をするのが好ましく,また保存的に整復した症例や非脱臼側はX線計測上臼蓋形成不全はあっても発育することが期待できるので,臼蓋形成手術の適応は慎重につけなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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