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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻1号

1986年01月発行

文献概要

臨床経験

反対側に症状を呈したL1/2椎間板ヘルニアの1症例

著者: 長秀行1 鼓敏光1 斉藤正伸1 小亀正春1 金哲彦1 浅井達郎1

所属機関: 1市立豊中病院整形外科

ページ範囲:P.107 - P.111

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 抄録:42歳,男性.腰痛発現後2日目に左下肢麻痺及び膀胱直腸障害が出現した.脊髄造影で,L1椎体高位で右側からの圧排とL1/2椎間レベルで造影柱の完全停止像を認めた.CT-ミエログラムでL2椎体中央部高位で馬尾神経の左側偏位がみられ,右前方からの圧迫が考えられた.椎弓切除術施行.左L1/2椎間関節の内方への肥厚があり,同部に接した硬膜は,一部赤味を帯びており,圧迫を疑わせる所見であった.左側の硬膜前面部及び椎間部には異常はなかった.右側の硬膜前面部において,L1/2,椎間からL1椎体にかけ脱出した髄核が認められ摘出した.馬尾神経及び神経根の走行異常はみられなかった.術後5ヵ月の現在,神経症状も正常に回復し,現職に復している.本症例は,L1/2髄核脱出がおこり,脱出髄核と反対側の脊柱管後外側方狭窄部との問に馬尾神経がはさみこまれ,強い衝撃をうけた為,髄核脱出側とは反対側の馬尾神経症状を呈したものと推論された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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