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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻10号

1986年10月発行

文献概要

シンポジウム 骨軟骨移植の進歩

同種骨移植の現況と展望

著者: 杉岡洋一1 増田祥男1

所属機関: 1九州大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1129 - P.1135

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I.同種骨移植の意義と適応
 A.同種骨移植の意義
 骨移植が他の臓器移植と異なる最大の特徴は,移植された骨細胞の超生を絶対条件としない点である.移植された骨,正確には細胞外骨基質には移植床の間葉系細胞から骨形成能を有する細胞の分化を促す能力(bone or osteo-induction),すなわち骨誘導能または骨形成因子が存在する.誘導された骨形成細胞は移植骨のフレームを足場として新生骨を形成してゆく(osteo-conduction).骨移植においてはこのboneinductionとconductionが極めて重要な過程であり,最終的には移植骨は誘導された新生骨により置換され,同一形態の骨を形成する.自家骨移植においても遊離移植では極く表層の細胞を除いて超生の可能性はなく,冷凍または凍結乾燥した同種骨移植においてはなおさらで,その目的とするところは骨誘導能と骨形成の足場を提供することにある.また同時に骨新生置換までの補填と強度の保持にある.そこで他の臓器移植と根本的な相違があり,allograftと呼ぶよりalloimplantと呼ぶのが適切であるとされる所以である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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