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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻10号

1986年10月発行

文献概要

臨床経験

腰仙椎側方脱臼の1治験例

著者: 福井康之1 鈴木信正2 浜野恭之1 宮川準1 吹本武憲1

所属機関: 1済生会宇都宮病院整形外科 2済生会中央病院整形外科

ページ範囲:P.1183 - P.1188

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 抄録:我々は比較的稀と思われる腰仙椎側方脱臼例に対し,spinal instrumentationを用いて脱臼を完全に整復固定し,良好な脊柱再建を得たので報告した.症例は24歳の男性で,バイク乗車中,交通事故により受傷したものである.初診時,右L5神経領域の知覚運動麻痺を認め,X線像にてL5椎体の左側方への一横指の転位を認めた.手術はL1椎弓と左腸骨翼間にHarrington outriggerを装着し,長軸方向の牽引を加えた後,L4,L5にsublaminar wiringを行い,これをL2-右腸骨間に仮止めしたLuque rodに引きつける事により脱臼を整復した.その後,6.4mm Luque rodを用いてL3以下の腰仙椎後方固定を行った.本例は著しく不安定な骨折の為,更にL5-S1前方固定を追加した.術後,運動麻痺の改善は見られず,右下垂足に対し腱移行術を施行したが,術後2年目の現在,骨癒合は強固である.又,装具なしに歩行可能であり,ADL上の問題はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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