icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻11号

1986年11月発行

文献概要

論述

掌蹠膿疱症性骨関節炎について

著者: 川井和夫1 土井田稔1 井口哲弘1 鵜飼和浩1 大野修1 広畑和志1 藤田久夫2 立石博臣3 石川斉4 八尾修三5

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室 2兵庫県立加古川病院整形外科 3兵庫医科大学整形外科 4神戸大学医療技術短期大学部 5国立明石病院整形外科

ページ範囲:P.1192 - P.1202

文献購入ページに移動
 抄録:掌蹠膿疱症性骨関節炎(PAO)の臨床病態を知る目的で,自験例41症例の臨床像,X線像,血液像,組織像の検索を行った.PAOは前胸部の有痛性腫瘤を主病変とし,30〜50歳代の女性に好発する.またおよそ30%の症例では脊椎,仙腸関節,末梢関節などにも病変が認められた.これらの骨関節病変は非常に難治性で長期間にわたり寛解と増悪を繰り返していた.鎖骨の肥大は,早期より経時的に追跡できた症例から,骨膜性骨形成の結果と思われた.6例に生検を行ったが,組織学的には皮膚,骨,滑膜病巣部には共通して,多核白血球とリンパ球を主体とする慢性炎症細胞浸潤が見られた.このことから各部位の病巣には密接な関連があり,共通の病因を有していると推測された.臨床的位置づけとしては,PAOをseronegative spondyloarthropathyの一疾患とするには問題点も多いことを指摘した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら